賃貸物件を探す際、間取りや立地にこだわる人は多いでしょう。それらの条件と同じく、判断基準のひとつとして重視すべきなのが築年数です。本記事では、築年数が賃貸物件にどう影響するのか、ケースごとの築年数の目安や、古築でも良質な物件を見分けるための方法についてお伝えします。物件選びに迷っている人は参考にしてみてください。

築年数の基本と変化

築年数は建物が建設されてからの経過年数を指します。完成から1年未満で、未使用・未入居の物件を新築と呼びます。築2〜5年以内と築年数が新しいほど築浅とされ、築30年以上と築年数が古いほど築古といわれますが、これらの区分には明確な線引きがありません。築年数が変化すると、賃貸物件の状態や条件も変わってきます。

まず、築年数が浅い建物は、建てて間もないため劣化している箇所が少ないです。一方で、築年数が古くなるにつれて劣化箇所が増えてくるため、外観や内装に経年劣化を感じます。とくに、木造のアパートなどは劣化が目立ちやすい場合があります。

次に、築年数が家賃に与える影響です。築年数が浅い建物ほど、外観や内装がきれいに保たれており、多くの入居者から人気があります。そのため、家賃が比較的高く設定されています。

反対に、築年数が古い物件は、家賃が低めに設定されることが一般的です。ただし、リフォームやリノベーションが行われた場合は、家賃が高く設定されることもあります。

最後に、耐震基準の遵守についてです。耐震基準は、建築基準法にもとづき定められた地震に対する強さを示す指標です。1981年6月1日より前に建てられた賃貸物件は、新耐震基準が適用されていない可能性が高く、安全面を考慮するのであれば、1981年6月1日以降に建てられた賃貸物件を選びましょう。

賃貸物件の築年数の目安

築年数が物件の品質や条件、安全性に直結するため、適切な築年数を選択することは重要です。以下では、設備の充実度や耐震性、家賃の安さを基準に、それぞれの場合における築年数の目安を解説します。

設備の充実度を重視するなら築10年以内

築10年以内の賃貸物件は、設備が充実していることが多いです。たとえば、追い焚き機能や宅配ボックス、システムキッチンなど、最新の設備が導入されています。このような設備が整っていると、快適な生活を送れます。使いやすい機器や設備を重視するなら、築10年以内の物件を選びましょう。

耐震性を重視するなら築20年以内

耐震性を重視する場合は、築20年以内の物件を選ぶことが推奨されます。最新の耐震基準、2000年基準を満たしている築20年以内の賃貸物件は、地震に対する強さが高いです。2000年6月以降に建てられた建物は、震度6〜7レベルの大地震が発生してもすぐに倒壊する心配がないため、安心して暮らせるでしょう。

家賃の安さを重視するなら築30～40年以内

家賃の安さを求めるなら、築30〜40年以内の賃貸物件を選択するのが適切です。築年数が経過するにつれて、外観や設備が古くなり家賃が安くなる傾向があります。築年数が経った物件は、人気の浅築物件と比較して探しやすくなります。

築年数が古い場合でも良質な物件を見分ける方法

築年数が古い物件でも、良質な住環境を見つけることは可能です。以下では、築年数が古くても良質な物件を見分けるポイントについて紹介します。

メンテナンス体制の確認

築年数が古くても、定期的なメンテナンスが行き届いている物件は、快適に住めます。賃貸契約前に物件のメンテナンス状況を確認しましょう。とくに、配管や電気設備、建物の外壁など、劣化が早い箇所の点検が重要です。管理会社やオーナーに、メンテナンスの実施状況や頻度、修繕計画などを問い合わせることで、物件の管理体制を把握できます。

エントランスの状態

管理の行き届き具合は、エントランスの清潔さからも判断できます。エントランスが清潔に保たれている場合、管理会社やオーナーが物件を適切に管理している可能性が高いです。清潔で整備されたエントランスは、住環境のよさを示す重要なポイントとなります。

リノベーションの実施

築年数が古くても、リノベーションが行われている物件は、きれいで住みやすいお部屋が多いです。リノベーションによって、古い設備や内装が新しくアップデートされ、快適な生活空間が提供されます。賃貸契約前には、物件のリノベーション履歴や内容を確認しましょう。リノベーションを実施している物件は、築古であっても新築に近い住み心地を得られます。

耐震補強工事の取り組み

築年数が古い物件であっても、耐震調査で基準をクリアや耐震補強工事済となっていれば、問題なく住むことが可能です。物件情報の備考欄に記載があるかを確認しましょう。耐震補強工事が行われている物件は、地震などの災害時でも安心です。

まとめ

賃貸物件の築年数は、その状態や条件、安全性に直結する重要な要素です。築浅の物件は劣化が少なく、設備も充実していますが、家賃は比較的高めです。一方、築古の物件は家賃が抑えられていますが、経年劣化の兆候が表れます。耐震性を考慮するなら築20年以内が安心ですが、古い物件でも耐震補強工事が施されていれば安全性が保証されるでしょう。

定期的なメンテナンスやリノベーションの有無などを確認することで、良質な物件を見つけられます。物件の管理状況や設備、耐震性などを総合的に考慮し、自身のニーズに合った賃貸物件を選ぶことが大切です。

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